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うつ病の人の脳の中では、神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンが非常に少なくなっているために、意欲や気分をつかさどる脳の機能が低下し、抑うつ症状が起こっています。
抗うつ薬は、このセロトニンとノルアドレナリンの量を増やし、脳の活動を活発にして、症状を良くしようとするものです。
神経伝達物質は、神経細胞から出て別の神経細胞の表面にある受容体にくっつくことで情報を伝達していますが、使われないで余ると、またもとの神経細胞に取り込まれていきます(再取り込み)。
このとき、再取り込みをブロックしてもとに戻らないようにするのが、抗うつ薬のしくみです。戻れなくなった神経伝達物質は神経細胞間にとどまるので、量が増えることになり、その結果神経伝達が促進されます。
抗うつ薬が脳の神経細胞を回復させるのには時間がかかるので、効果が出るのに時間がかかると考えられています。
医師との対話やさまざまな交流を通して、自分の性格や考え方の傾向、なぜうつ病になったかということを理解して、
そうならないようコントロールできるようにします。
また、再発を防止するためにも、うつ病の症状がかなり良くなり、社会生活が営めるようになる頃に精神療法を行うことがとくに大切です。
精神療法の中心となるのは、「一般的(支持的)精神療法」です。患者さんの話を聞き、不安な気持ちをよく理解した上で、
症状を良くしていくためのアドバイスをしていきます。
他にも、物事のとらえ方や考え方を、うつ病につながらない方向へ変えるサポートをする「認知療法」、行動に目標を設定し、
達成感が得られるようにしていく「行動療法」、
人間関係がうつ病になるきっかけになっている場合に、
その問題が解決できるようにサポートする「対人関係療法」など、
さまざまな治療法があり、医師が、
その人に合ったものを選んで、行っていきます。